前回の定例会レポートでソールライター展にみんなで行って来たと書きましたが、今回はそのソールライター展を見たそれぞれのレビューを掲載します。今回は松崎ヒロノブのソールライター展レビューです。

saul-ma.jpg

驚いたのは、思っていた以上に物事を俯瞰して撮っていることだった。

人もまた風景であり、影、反射、物越し、ガラス越しなどと相まって作品となっている。不均等な構図と空白は、インパクトと同時に想像力をかきたてさせる。これらは絵画の目があったからこそなのか、その手法と街の撮り方は非常にマッチしていた。

私が一番気に入った作品は『天蓋』だ。大胆な構図は心の琴線を震わせる。

カラーについては、他の方々とは意見が違えるかもしれないが、私としてはじっくりと沈んでいるカラーと感じた。鮮やか、華やかではなく、静かにその世界に沈殿しているようで心地よい。

ヌードカテゴリについては全面的に支持を表明する。撮影者を意識していないような、覗いているような変態感覚には共感する(…あれ? 男性はみんなこういうの好きよね?)

ソールフォト、という括りが出来るほど彼の手法は言葉で説明し易いが、それを行動に移し、自分自身が納得する作品を撮るのはとても難しい。住んでいる街、身近な空間を切り取る難しさは嫌というほど知っている。

今後しばらくは撮った作品が「ソールフォトっぽいね」と言われることもあるだろうが、たとえ手法を知らなかったとしても、既成の模倣から始まり、それを自分の色に染めていくことが芸術だと思っている。何十年、何百年、何千年と先達たちは進んでいるのだから、焦ることはないと言い聞かせつつ。

写真歴の長い方も短い方も、その時々によって感じることの変わる、ある意味指標とも呼べるとても良い展示だった。

松崎ヒロノブ

saulleiter-00.jpg

photo 椿原桜果/ word 松崎ヒロノブ/ blog editor 椿原桜果
2017.07.02
コメント記入欄