【シメンソカ自由企画】
ポートフォリオ作成への道
矢野巌


写真を続ける上で、おそらく誰もが一度は考えるのが公募への参加。
かくいう僕も幾つかの公募にトライしてきた。
毎度毎度のことながら作品をまとめるのは楽ではない。
今もとある公募に向けてのポートフォリオ作成している。

他の人がどんなプロセスを踏んでいるのかは分からないが、
今回は自分がポートフォリオを作成する場合についてまとめてみたいと思う。

※まだ公開前の作品のため、文中の写真はイメージです。

①幾つかのテーマを思い浮かべる
 これは作品をまとめる前段階。
 どんなテーマに絞っていくかを考える。
 ここで1つに絞れることは稀で 、たいていは幾つもアイデアが浮かんできては消える。

②過去の作品を一気に見返す
 発表済か未発表かに関わらず、作品を一気に見返してみる。
 その中から使えそうな作品を、種類に関わらず拾い上げていく。
 こんなの撮ってた!こんな面白いのあったっけ!!
 と、テンションが上がり続け、自分のことを大好きになる時間(重要)。
 この作業の中で、①で考えておいたテーマそっちのけになってしまう。

③悩む
 ②で調子に乗って作品を拾い上げすぎたため、収拾がつかなくなる。
 ここで大いに悩む。
 自分のことを少し嫌いになる時間。

1505free-yano01.jpg


④プリントアウトしてみる
 画面だけで選んでいると、必ず煮詰まってしまう。
 作品をプリント して、今度は床に並べてみる。
 データではなくプリントになると、画面で見る作品とは全く別物として生まれ変わるから不思議。

⑤神経衰弱
 作品を並べては入れ替え、並べては入れ替えを繰り返す。
 何度かやっているうちに、これは表紙、中の押さえ、巻末にと、置き場所が見えてくる。
 それだけでなく、自然とふるいにかけられてテーマが絞られてくる。
 面白いのは①で考えていたことが、この段階になって活きてくること。

1505free-yano02.jpg


⑥仕上げ
 形になったら、一旦ポートフォリオから離れる。
 しばらく経ってから、もう一度見返してみると、気付かなかった点や改善点が見えてくる。
 ただ、ここで作品を間引きすることはあっても、足すことは殆どな い。
 足し始めるとキリがなくなるのは目に見えている。

⑦自己満足に浸る
 出来上がったポートフォリオを何度も見返しては悦に浸る。
 しばらく時間が経てば物足りなさが出てきてしまうのは分かりきっているので、
 この完成直後のハネムーン期間に絆を深め合っておく(重要)。
 この自己満足を経て、ようやく完成となる。

この方法は多作で、かつ作品が非ロジカルな僕にとっては向いている。
見せたいものが多すぎる中で、それを如何に収斂させるか、削るかが主眼といってもいい。

僕はポートフォリオをまとめるのが上手ではないという自覚があって、
それは配置や配色のセンスが弱いことに加えて、削る力が弱いという点にもある。
ポートフォリオは自己主張の 塊の筈なのに、やりすぎると主張が届かなくなるジレンマで悩む。

人からアドバイスを受けると、確かにそうだなぁと分かっていても、
ついつい自分流を通してしまい、そこでまた悩む。

常に悩みながらになるので、まとめ始めるまでは本当に嫌で仕方がない。
けれど作らないと、これまた気持ち悪くて仕方がない。

苦しくて面倒だけれど、やっぱり出来上がったポートフォリオを見るのは嬉しい。
それが誰かに認められると、もっと嬉しい。

公募に出すからというのは後付の理由。
本当は作りたいから作るんだと、こうして文章を起こしていて再認識した。

今作っているものを、早くお披露目できるように頑張らなくては。


photo 矢野巌 / write 矢野巌 / blog editor 椿原桜果

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2015.05.13
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