先日からレポートの続いている塩竈フォトフェスティバルの、
ポートフォリオビューイングというイベントに、矢野巌がゲスト作家として出展を行いました。
今回はその時のレポートとなります。

ポートフォリオビューイングとは、自分のポートフォリオを来場者に鑑賞して貰い、
膝を突き合わせながら語り合うスタイル。
綺麗に額装され壁に飾られた作品を前にではなく、そうなる前のポートフォリオ。
いわば抜き身の裸に近い姿で行うものとなる。

過去の塩竈フォトフェスティバル受賞者4名という実力者達と僕の計5名が、
(天野裕氏/阪本勇/嶋田篤人/藤安淳/矢野巌)
塩竈の各地に席を構え、来場者を待ち受けることになるのだが、
必要な物がポートフォリオだけなので、場所は机とテーブルがあれば充分。
僕に割り振られた場所は、塩釜グランドパレス内ロビーの一角。

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決して派手ではない企画のため、来場者はどうだろうかと心配していたのも杞憂。
開始してみれば途切れなく人が訪れ、全く休む暇のないものだった。

このビューイングというものの特性として、一人当たりの時間が極めて長い。
30分から場合によっては1時間に及ぶこともある。

それを7時間ほど延々と繰り返すことになるのだが、その中で見えてきた事が幾つかある。

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①言葉の大切さ
当然ながら来場者には写真をやらない人もいて、
ポートフォリオって何ですか?という質問から始まることもある、
そういった人々に物を伝えようとした場合、本当に言葉を選ばなければならない。
まして作品の意図まで伝えようとするなら、たった一言が大きな分かれ道になる。

②反復の大切さ
自分の作品について語るのは当然としても、それを短時間に何度も丹念に繰り返すことは少ない。
通常の展示をした場合でも、一人と話す時間も内容も限られている。
それを深く、丁寧に何度も話をすることで、否応なしに自分の作品と向きあい直すことになる。

③『写真を撮る人』?
このビューイングの中で最も新鮮な驚きだったのが、この③になる。
休憩を取る時間も殆どなく、常に緊張と頭のフル回転を強いられる中で自分の写真と向き合っていると、
2人目、3人目と回数を重ねるにつれ、疲れよりも徐々に研ぎ澄まされていくような、
ランナーズハイにも似たような感覚に襲われ始めてくる。
まるで舞台の上で何かを演じているような、そんな感覚に近い。
今まで自分は『写真を撮る人』という意識でいたが、このビューイングという場においては、
その少し先の、敢えて言うなら『表現者』としてのステップに足を踏み出した気がしてならない。
ビューイングのとある書類の中で『出演』という言葉があった。
音楽と極めて縁の深い平間氏ならではの言い回しだとは思うが、まさに言い得て妙だと思う。

写真を表現する上で、こんな世界もあったのかと、大きく視界が開けた。
次は演者同士がセッションするように、来場者とセッション出来るくらいに持っていきたい。

ポートフォリオビューイング、病み付きになる刺激だ。

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<ビューイング出演者記念撮影 撮影:尚光堂 嶺岸知氏>


write&photo:Iwao Yano 


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2013.10.03
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