先日9月14日から9月23日まで、宮城県塩竈市で開催されている第4回塩竈フォトフェスティバル。

塩竈フォトフェスティバルは、塩竈出身の写真家・平間至氏が中心となって開催されるイベントで、
日本最大級のポートフォリオレビューをはじめ、毎回様々な取り組みで大きな注目を集めています。
そのイベントの中のいくつかに参加している矢野巌からのレポートとなります。



このレビューは、
公募 → 一次審査 → 通過者(今回は29名)は豪華レビュワー陣から2名を指名
会場でのレビュー → 最終選考(今回は6名) → 大賞(写真集製作権の付与) という流れ。

僕がレビューを受けたのは、小林紀晴氏と孫家邦氏。

【レビュー:小林紀晴氏】
著書『写真と生活』をはじめ、端正な文章でも多くのファンと影響力を持つ小林氏。

そのレビューは、僕のブックを一通り見た後『こりゃ、何て言ったらいいか分かんないね!』と、
文章とは印象の異なる厳しい第一声からはじまるもの。
セレクトの甘さ、見せ方の弱さ、梅佳代との比較、そもそもの価値観について次々と指摘があり、
『一回、辞めてみた方がいいかもね』という言葉も二度に渡って飛び出すという展開。
持ち時間の20分をオーバーする中で、終始厳しい言葉の並ぶものとなった。

【レビュー:孫家邦氏】
梅佳代『うめめ』や川内倫子の写真集など多くの名作を出版し続ける、リトル・モア代表取締役。

ブックを見た後は、僕の考えなどお見通しであろうことは感じさせながらも、
まずは僕の話を受け止めて下さってから、一つ一つ言葉を選びながら話を切り出していくという展開。
決して否定はせず、かといって褒めることもせず、ここでも梅佳代との話を交えつつ、
これから僕がどうしていきたいのか、そのためにはどうしたら良いかを説いて下さった。

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【レビューを受けて】
僕は第一回/二回でのレビューを受けており、今回は四年越しのレビューとなった。

考えてみれば過去に受けた二度のレビューは、それぞれ写真を始めたばかりの頃で、
自分が何をしたいのか、話したいのか、聞きたいのかさえ曖昧なままで臨んだものであり、
当時レビューして下さった平間至氏、広川泰士氏、綾智佳さん達との話も、
上辺でしか話すことが出来ていなかったように思う。
おそらくレビューして下さる側にとっても、余り語れないような内容だったに違いない。
単に選考残った!褒められた!ヤッホー!というだけの話。
なんと贅沢で、傲慢だったんだろう。

あれから四年を経て受けた今回のレビューは決して易しくはなかったが、
言われたことに対して、どれも自分の中で理由と答えを出すことができる。
『あー、君の写真いいね!』『上手だね!』で終わらなくて本当に良かった。

昔のレビューの内容は嬉々として書いていたが(過去の様子はコチラ)、今は全てを書こうとは思わない。
つまりそれだけ自分の中で写真が確固たるものになり、
今回のレビューで得た内容も、軽々しく人に共有できるものでなくなったからだ。

最終選考に残らなかったのは残念だが、その理由も納得できる。
初対面の相手に対して言いにくいであろう事も、
キチンと作品を見ながら話してくださったレビュワーの誠実さに、心から感謝したい。

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【番外編】
全く単独で乗り込んだつもりだった塩竈フォトフェス。
会場に着いてみると、御苗場の仲間である畠山雄豪氏、大原明海さん達がおり、
特に畠山氏は最終選考に残る活躍を見せた。
大賞に輝いた篠田優氏も、蓋を開けてみれば知らない仲ではなかった。
こういう横の繋がりは安心と同時に緊張感も生む。
レビューだけでなく互いに意識し合えるというのも、これも恵まれた環境だ。

write&photo:Iwao Yano 


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2013.09.19
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