シメンソカメンバー4人がそれぞれセレクトした写真集のレビューをしています。3回目はKaoRinセレクトの写真集『NO TRAVEL, NO LIFE』です。



『NO TRAVEL, NO LIFE』須田誠


2007年:発行 A-Works

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私が選んだ写真集はこれです。
普段、写真集をあまり買うことがないのですがこれは2013年に通った須田誠ワークショップの教材として手に入れました。

もともと、海外の写真や子どもの写ってる写真は好きでしたが誠さんと出逢ってワークショップの内容が私にはピッタリと感じたのでこの写真集は本当に買えて良かったと思っています。


34歳で(今の私の歳と同じだ!)サラリーマンを辞めて世界を2年間に渡り旅した誠さん。
カメラは旅の途中で手に入れて独学だそうです。旅の写真というと景色が多いイメージですが誠さんは人物写真が多いです。しかも、距離感が独特。だいたいが、近いのです!!!
その被写体の目を見て撮ったのだろうなぁと思います。ページをめくる度に写ってる人と目が合います。その距離にはシャッターを押す前後どんなやりとりがあったのかな?と想像するのが面白いです。

写真と織り交ぜながら誠さんの言葉たちもスッと入ってきます。簡単にわかりやすくストレートな言葉、ん?と1回では意味がわからなくて何度も反芻して読む言葉…。
その土地に行ったこともなければどんな土地なのかもわからないのに写真と言葉を見ていると何故だかキュッとなる。私は何度も泣きそうになりました。その国その国の物語の超短編を読んでる感じです。写真を見てこんなに胸がキュッとなるなんてこと今までなかった。

そして、きっちりカメラのことを学んできっちりと撮られた写真よりもその瞬間を切り撮れた運や出逢いを集められる力を感じられる写真が良いと思います。例え、ブレ(?)てたってそんなこと気にならいくらいとても良い瞬間や面白い瞬間がぎゅっと綴じられてます。これはどんなにカメラのこと学んだって真似できないことだと思います。それをその人のセンスというのかな?

私にはこの写真集をどんなに良いと思っても影響受けて よし!自分も世界中に旅に行こう!…と思うほどのバネがないのだけど、影響受けて旅に行きたくなる人はたくさんいるはず。いつかいつか…私も行きたいなぁと漠然とは思います。(実際に旅に行く人はここで、じゃあいつ行こうかと考える人!) 写真集を見て同じ場所を巡っても決して同じように撮れないこともわかってる。
でも私が旅に出たらどんな写真が撮れるかな?と考えるとワクワクして旅に出てみたいとイメージしたりはしてみたことがありました。写真集に影響を受けたというよりかは自分が好き!と感じる写真ばかりだし言葉も読んでると泣きそうになる、こういう世界があるのだなぁと知ることができたことも嬉しいです。
そして、先にも書きましたが “私にはどんな写真が撮れるのかな”と思えたことがこの写真集と出逢えたおかげであり、写真への意欲、興味にも繋がっているように思っています。

人によってはこれは自己啓発本(笑)の類いですねと言われるかもしれないけれど誠さんの写真集は決して世の中で自己啓発本と言われている物とは違うと思っています。それは写真集として写真が素敵だから、写真の魅力が半端ないから、さらに言葉が自然だから…だと私は思います。
なので自己啓発本が好きな人には物足りないかもしれませんね。旅好き、音楽好きの人にはぜひ手にとって欲しい写真集です。まとまりませんが以上が私の大切な写真集のレビューとなります。長くなりましたが最後まで読んでくださりありがとうございました!!

KaoRin

■A-Works
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reviewer KaoRin / blog editor 椿原桜果

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2016.02.27
シメンソカメンバー4人がそれぞれセレクトした写真集のレビューをしています。2回目は松崎ヒロノブセレクトの写真集『The Folk』です。



『The Folk』西村裕介


2015年:発行 リトル・モア

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レビューにつながる、少し恥ずかしい自分語り。

学生のころ、民俗学的なものに心惹かれ、それから講義を受けたり書物を漁っていた時期がある。オカルトで済まさず、その話の裏にある舞台背景など調べ考えていた。

いまでもその手の話は好物だが、根本にある興味はどこから始まったのかと思い返してみると、意外なところに辿り着いた。

柳田? 違う。
折口? 違う。

水木でも星野でも荒俣でもラヴクラフトでもなく……なんと、その源流はスーパーファミコンにあった。

『真・女神転生』というゲームをご存知だろうか?

実生活にジワジワと迫る違和感、超常なものに翻弄される主人公…。

このゲームから民俗学に興味を示し始めたという、少し恥ずかしい思い出。きっかけというものは、どこに転がっているのかわからないものだ。

さて、その学生のころに出会っていたら狂喜していただろう写真集が本書である。

土地ごとの祭事で行われる舞、踊り、行列など、その演者たちが集められている。

出で立ち、所作にはすべて意味があり、それを捉えるべく、黒幕を張りそこでじっくりと撮影されているのだ。

素晴らしい。英断である。祭事最中でのスナップでも雰囲気は伝わるだろうが、背景が黒幕での撮影はその異形感、特異性、精神性を際立たせることに成功している。

実際の祭事内容との乖離の懸念もあるが、それでもお国柄である閉鎖された地域性、そこから生まれた多種多様の無形文化、その一端に触れられる素晴らしい一冊である。
松崎ヒロノブ

■リトルモア
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reviewer 松崎ヒロノブ / blog editor 椿原桜果

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2016.02.22
今日からシメンソカメンバー4人がそれぞれセレクトした写真集のレビューをしていきます。1回目は矢野巌セレクトの写真集です。



『街の火』星玄人


2007年 発行ガレリアQ

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人は生きている。
生きるということは命を燃やすこと。
燃えた命は微かな光を放ち、街の中でそれぞれに輝いては儚く消えていく。

この写真集の舞台となっているのは、主に歌舞伎町など夜の街。
まだ『スマホ』がなく『ケイタイ』が広がり始めた、
ノストラダムスの大予言が当たるか当たらないかの落ち着かない時代。

写っているのは夜の住人。
全身に刺青の入ったチンピラたち。
胸元やパンツなども露わになった女性たち。
ホームレスや、ラブホでの裸の女性。
ごついオカマや、酔いつぶれた人たち。
野良猫やドブネズミ。
そんなものばかり。

きちんと学校を出て、きちんとした会社に勤めている 人から見れば、
決して綺麗ではないし、上品さなど何処にもない。
笑顔の写真が多いわけでもなく、虚ろな目や、ただこちらを見ているだけの写真も多い。

しかし、僕は初めてこの写真集を開いた時に、
言いようのない優しさと懐かしさを感じて、どうにも泣けて仕方がなかった。

ここで僕自身の話をすると、実家が田舎で飲食業を営んでいた。
店は家と繋がっていて、家には多くの従業員や業者が常にせわしなく出入りしてた。

昭和の板前たちは気性も荒く、今で言うところの半ばヤクザに近かった。
水商売あがりや訳アリの女性たちも多く働いていて、
彼女たちの子供は、仕事が終わるまで僕と一緒に食事をし、生活を共にしていた。
彼女たちの必要以上の色気が、時に諍い の種になることもあった。

彼らは時に我が家の金をくすねてみたり、
両親へ金を借りに大泣きしながら土下座をしてみたり、
子供の僕に金を無心にきたり、
僕を可愛がってくれていたヤンキー高校生は、突然に自殺したりもした。
虚言癖もいれば、ギャンブル狂やアル中も当たり前にいた世界。

ずっと見てきた中で彼らに共通していたのは、
彼らは哀しくて、とにかく優しかったということ。
もちろん悪意や敵意を向けられたことだって何度もあるが、
心からのものでなく、哀しさや苛立ちから来るものだったように思う。
学歴や地位はなくとも、誰もが人の辛さを知っていた。
本当の善人も悪人も、どこにも居なかった。

この写真集に収められているのは、そんな世界。
幼い頃に見続けた彼らの世界。

おそらくは、そこから遠ざけようとしたであろう両親の方針もあって、
今の僕は彼らと割合に遠い世界を生きている。ような気になっている。
けれど、この写真集を開く時、普段は忘れている記憶が掻き毟られてしまう。

写真を撮った星玄人氏の過剰な自意識や、挫折や人との距離。
あとがきにも長々と書かれているが、そんなことは書かなくても分かる。
彼もまた人の哀しさと優しさを知っているからこそ、この写真が撮れるのだ。
苦しさ、哀しさ、寂しさを経てからカメラを手にした彼だからこその優しさが、全面に伝わってくる。
中途半端に距離ができた僕には、撮りたくても撮れない世界。
だからこそ好きな写真集は?と聞かれたときに、僕 はいつもこの写真集を真っ先に挙げる。

彼も知っているはずだ。
微かな人の輝きが集まって街の火になり、やがて消えていくということを。
その火は、どこまでも優しいということを。

矢野巌

■写々者サイト
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reviewer 矢野巌 / blog editor 椿原桜果

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2016.02.17
松崎ヒロノブが「御苗場2016」で出展します。

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《期間》
2月25日(木)~28日(日)
10:00~18:00(最終日 17:00まで)


《展示場所》
177ブース
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《会場》
大さん橋ホール(CP+2016会場内)
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〒231-0002 横浜市中区海岸通1-1-4TEL 045-211-2304(大さん橋管理事務所)
みなとみらい線日本大通り駅から徒歩約7分、 JR関内駅から徒歩約15分
※CP+2016会場・パシフィコ横浜間でシャトルバスが15分毎に運行予定


《松崎ヒロノブからのメッセージ》
写真の祭典である御苗場に、松崎ヒロノブ個人として出展することになりました(展示作品は前展示ヤブレカブレ2と同じもので再挑戦です)。ブックはさらにブラッシュアップし、さらなる完成度を目指して奮闘しておりますので、ご来場の際には足を向けて頂ければ幸いです。ブースNo.は177です。よろしくお願いいたします。


write 椿原桜果 / blog editor 松崎ヒロノブ・椿原桜果

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2016.02.13
2016年1回目の定例会を行って来ました。今回のミッションは2つ。シメンソカ2016年の活動の素案を決める事とヤブレカブレ展2で差し入れに頂いた日本酒をみんなで飲む事。ということで松崎が「池袋でいいならーー」とプランニングしてくれまして(実は滅多にないレアな事w)持ち込みOKのオシャレマンキツ→肉バルコースで定例会スタートです。

…が、定例会前に仕事を入れてた椿原桜果、先方から連絡が1時間後れたために40分遅刻したのでスタート時は不在です。その代わり?ニューフェイスまさ氏参加でスタートです。

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恒例になった感のある矢野巌の朝からの1本。
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40分遅れて桜果参加。池袋に来たらコレを食べたい!ってことで焼小籠包。今回は店内に席が開いてなかったのでIWGP(池袋東口公園)で食べる事に。
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皮はもちもち、底はカリっ、肉汁じゅわ〜〜な絶品焼小籠包なのですが、一つ欠点があってそれは食べる時に気をつけないと肉汁が吹き出します。
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自分にではなくその肉汁を右隣にいたまさ氏に飛ばした矢野巌www
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色々あったけど美味しかったの問題なしw
まさ氏とはここで別れて通常メンバーでのシメンソカ定例会スタートです。
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さて、シメンソカ会議以外でのミッション、『ヤブレカブレ展2で差し入れに頂いた日本酒を飲む』という事なのですが、日本酒を一時預かっていたKaoRin。今日持っているバッグがあまりにも小さかったので確認したところ…『は!忘れた!!』※この時は桜果はトイレに行ってたためこの内容を知りません
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KaoRin『おーかさん、報告したい事があるの』
おーか『何?』
矢野&松『ビックカメラに行こう』
おーか『何で?SDカードでも忘れたの?』
KaoRin『いや、多分今日一番おーかさんが楽しみにしてた事…』
矢野&松『日本酒忘れたんだよ』
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『なんですとーーーー』
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という事で、頂いた日本酒は先延ばしにしてビッグカメラの酒コーナーで梅酒を購入。ついでにつまみも買込み…
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オシャレマンキツのカラオケルームでシメンソカ会議スタートです。カラオケルームだけどマジメに話し合いをすること3時間。
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途中、梅酒を飲んだり、ドリンクバーを飲んだりであっという間に時間切れ。
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次の店の肉バルの店でも食べながら会議です。
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逆チーズフォンデュ!美味しかった〜♪
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松崎バナナマンに変身!
予約するとバナナに書き込んでくれたお店なんだけど、ここで初めて知った事。シメンソカメンバー4人、バナナが好きではなかった…ww
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先ほどのマンキツ会議場で、メガネに変えようとコンタクトを外した矢野巌、コンタクトを外してからメガネケースはあるのに中身のメガネがなかった事が判明。そして視力の悪い矢野。ここまで寄らないと文字が見えないらしい。
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肉バルでの2時間もあ!という間に終わり、まだ会議したりないので店を探す4人。
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今度はサンマルクカフェで3次会会議スタート。
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そしてサンマルクカフェも話し合いの途中で閉店時間に。池袋の駅階段踊り場で立ちながら4次会会議スタート。
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…とここで声をかけられたんだけど、前回のヤブレカブレ展に来てくれたえっちゃんと遭遇。久し振りにえっちゃんと会いたいね〜飲みたいね〜なんて話してたのが6時間前だったんだよ。引き寄せの法則ってあるのね〜なんてしみじみ。
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さすがに電車もなくなるので、ここでお開き。会議でのすべての議事録はこなせなかったので、一部は次回持ち越し。
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余談ですが、視力を奪われると人はおじいちゃんになるらしい。目が悪い上に裸眼の矢野巌は途中から終始ヨタヨタ。それでも無事家に帰れたようで…ほっとした3人であったのでした。
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photo 矢野巌・KaoRin・椿原桜果 / write 椿原桜果 / blog editor 椿原桜果

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2016.02.09
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写真集団シメンソカにとって2回目のグループ展『ヤブレカブレ2』が終わりました。
前回からちょうど2年、時期も同じ場所も同じ、さらにシメンソカメンバーの出展作品がそれぞれが前回と同じテーマの発展系での展示になった事が印象深かったですね。

私個人の事ですが、フリーランスで働いていた状態から2015年4月より会社勤務になった事でほとんど自由な時間が取れなくなって、撮影にもあまり出れなくなっていたし、なにより準備にかける時間が少なくてバッタバタな状態で準備をして当日はフラフラwww。

…というのは言い訳で(笑)もともとスロースタータータイプで腰を上げるのまでの時間が遅い私。今回も台湾旅行か東北旅行の写真を出そうと写真は決めていたのに、そこからなかなか動かなかったのでやっぱり準備は直前になってしまってました。ただ、今までにやった事のない展示方法にして(多穴)今までやった事のないポートフォリオを作ったり(今まではweb注文でブックを注文)初めての事にもトライした事は自分的にはよかったのではないかと思ってます。特に、ポートフォリオ。小さいサイズながらもプリントした写真をそのまま使ったのですが、その扱いの面倒な事www 仕事柄Macの中で作業する事は苦にならないのですが、リアル手作業の大変さを改めて思い知れていい経験が出来ました。

展示会当日は、日頃の疲労と準備前の疲労とが合わさって日ごと顔が疲れていっていました…
次回、展示があるのなら開催当日も元気ハツラツな状態で向かいたいなーと思いますが、スロースターターな性分なので、多分やっぱり顔に疲労が出てるんだろうと思います。今はとりあえずヤブレカブレが終わって次の展示なんて考えられない状態ですが、時期が来たら多分きっと必ず開催すると思いますので、その際はまた来てやってくださいませ。

最後になりますが、展示にお越し下さったみなさん、丁寧にコメント用紙に記載してくださったみなさん、こうやってシチテンバットウをご覧下さってるみなさん、本当にありがとうございました。

椿原桜果

photo シメンソカ / write 椿原桜果 / blog editor 椿原桜果


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2016.02.01
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